2月の頭に「杉材の家具」の題名でUPした丸座卓とコロ椅子のお話の続きになります。
そもそもの仕事の発注先は 松川入財産区 。
財産区と言われてもピンと来ない方もいらっしゃるかと思いますが、広大な面積の山林の所有者を思いついた順に並べると 国=国有林、県=県有林or公団、公社林、市町村林、企業林、寺社林、個人所有、そして財産区と言われる古い自治体(合併を繰り返す前の小規模町村)と言った具合です。
飯田から大平街道を登って行き、松川ダムをすぎてしばらく走って右手の林道に入り上り詰めていくと 松川入 に入ります。
戦前までなのか、昭和3,40年代まであったのか? おそらく松川入村としてかなりの人家と人口があったものと思われます。
(調べてみると廃村、廃校、集団移住は昭和41年、昭和34年で児童数31名とありました。)
そして集落のあった場所に後に松川ダム建設時の残土が盛られ、植樹されたものが今回伐採される予定の木々になります。
ちなみに木々の樹齢は52年となっています。
1000本におよぶ樹木リストから 胸高直径30cm以上 の木々を約80本ほど選び出し、現地で曲がり具合や傷みや枝付きを確認して、使えそうな木の目印のテープを巻いてゆきます。
選んだのは約20本。 杉が多くてクリが数本、クルミ、カラマツ、サクラ、ハンノキが少々確認できました。
標高は1100m、樹齢52年と言うことで材質は悪くはないはずですが、とにかく太さが足りない・・・。
木々の水揚げも既に始まっているので、切り時は良くないのですが4月以降に伐採される予定です。
切り株までたどり着ける、確認できる、と言う事では理想的な条件なのですが、果たして指定した木々がちゃんと私どもの手に入るのか?
製材、乾燥を経て、飯田の子供たちに机や椅子、おもちゃやスプーンに形を変えて届けられる日が来ることを楽しみのしています。
目に見える地産地消。 資源の循環と利用。 小さな試みに大きな夢が膨らみます。