夕方、すぐ下の湿地から良い声で蛙が鳴くもので、カメラを抱えて行ってみると、たくさんの名称不明のかえるが冬眠からさめて、さっそくに 「かえる合戦」 しているではありませんか、こちらの足音に驚いていっせいにちりぢりに逃げていくかえるが残していったものは、写真の卵。 5月頃にわりとグロテスクな ヤマアカガエル がわずかな水たまりに山盛りになるほど集まり産卵しているのは、みたことがあったのですが、こんなに早い時期の卵は記憶にありません。 今まで気がつかなかっただけだとは思いますが、雪解けとともに次々とスイッチが入っていく自然の凄さに改めて思い知らされています。 当たり前のように新しい芽が出たり、世代交代が起こったり、生命の連鎖の凄さというかたくましさというか・・・。 入院中に差し入れしてもらったほんの一冊に、 加島祥造と帯津良一の対談 「静けさに帰る」 と言う本があったのですが、その中で「死」は、生命の流の中で単なる通過点にしか過ぎないんだ・・・と言う話があるのですが、じつにこうした営みや復活をみていると腑に落ちていく自分を感じます。 人間はすでに 「ただの生命体」とだけはいえない領域に入っていることは、誰もが認めることでしょうが、私たちの場合少なくとも 「生命のバトンは渡した」 安堵感を感じても良いのかなって・・・思ったりしています。