先週の土曜日、実に久々に軽い山歩きに参加してきました。 場所は、信州と遠州との境、今風に言えば 長野県と静岡県との県境と言うことになります。 平成の大合併以前は、長野県側が 南信濃村。 静岡県側が 水窪町 だったのですが、今では 飯田市と浜松市なので改めて驚いてしまいます。 ここは古代から 「秋葉街道」の青崩峠と呼ばれたところで、まぼろしの国道152号線が走っていますが、まぼろしの名の通り 県道の兵越峠に迂回しないと車では通れない道となっています。 写真の 足神神社 は、青崩峠の浜松側の中腹にある小さなお宮で、足腰の神様と言うことで、絵馬に添えられた言葉は 「足腰が丈夫で・・・」とか「足の傷みがなくなりますように・・・」 と言うようなことばかりでした。 そのすぐ上にあったのがこちら
「しっ平太郎」とありますが、駒ヶ根の光前寺さんで有名な「霊犬 早太郎」のことであります。 なぜここにお墓? と誰もが思うところですが、解説を読んでみると要するに次のようなことなんです。 光前寺に飼われていた早太郎は、霊犬として広く知れ渡っていたその時代。 遠州の磐田に人を喰らう化け物ひひがいて その土地の人は大変苦しんでいた。 ある時早太郎の話を聞いた村人が光前寺に出向き、窮状を訴えると早太郎を貸してくれた。 早々に早太郎を連れて秋葉街道を下り磐田に戻り、夜な夜な出てくる化け物に、人身御供にされる娘の代わりに早太郎を差し向け 見事に化け物を退治することが出来た。 しかし、早太郎も大きな傷を受け、何とか光前寺へと帰路についたが 青崩峠をまえに息絶えてしまい、この場所に葬られた・・・。と言う訳なのでした。 早太郎の墓をあとに青崩峠まで登ると あたりは一面の「霧氷」。
この青崩峠は、中央構造線が通る場所で、その名の通り青くて非常にもろい岩石で出来た場所で、「天まで届く砂防工事」としても有名な場所であります。 そんな場所に、三遠南信道のトンネルを掘るという話らしいですから、すごいというか恐ろしいというか 驚いてしまいます。 ちなみに何億だか何十億かけたのだか、すでに出来ている草木トンネルはルート変更で使わないそうです。
峠を信州側に下ってきて、林道からさらに今は使われていない旧道歩いていくと、沢沿いに何軒もの廃屋。 沢沿いにちょっと開けた場所に段々に平らが作られ、田んぼだったのか、畑だったのか、秋葉道というのは、身延の秋葉神社へのお参りの道で、「秋葉講」というのがさかんに行われた言うぐらい、火普請の神としてあがめられた神社だったようです。 遠州からの塩や海産物を運ぶ道としても重要な街道だった訳で、街道沿いに人が住み、暮らしがあっても当たり前のことなのですが、今時の感覚しかないとただただ「こんな場所に・・・」という話に終始してしまいます。 私たちが暮らす里と同様 時代から取り残された「いいところ」だと、私の目には映っていました。